トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅ローゼンクランツのスピーカー/「The Maestro」

ローゼンクランツのスピーカー/「The Maestro」



 「ビンテージを凌ぎ、ハイエンドを越える!」をテーマに開発したのが、ローゼンクランツのカーディナルスピーカーシリーズであります。もっと具体的に言いますと、私自身が生涯付き合いたいと思えるスピーカーです。

 カーディナルスピーカーは受注生産ですから、注文頂いてから約2ヶ月掛かります。3モデル予定してある中の中核を成す「The Maestro」は5インチフルレンジユニット+8インチパッシブユニットの構成です。おそらくこの方式は世界初の試みではないでしょうか・・・。

 フルレンジユニットを上手く鳴らしてやるにはコーン紙に背圧が掛からないようにしてやらなければなりません。その為には吸音材を使うか、気流の動きと出入りをスムーズにしてやる必要があります。

 吸音材方式ですと、特定の周波数だけが影響を受け、f特性のバランスを崩してしまいます。今のところ、主流はバックロードホーンですが、人と同じ事をやっていたのでは今までの物を越える事は不可能です。

 そこで当社はメインユニットの動きをパッシブユニットによって助けてやる方式を採用しました。それは腹式呼吸の如く一体となった動きが可能となります。


 その記念すべき第一号の納品は九州最南端の鹿児島であります。お付き合いが始ってかれこれ10年は経つ上得意のT.Tさんは、クラシックからジャズ、ブルース、ロック等、幅広い音楽を楽しんでおられるバランス感覚の優れた方です。


 最近はヴィンテージオーディオの方向へドップリと浸かりつつあるとは聞いていましたが、その機器の多さにちょっとビックリすると共にブルーな気持ちにもなりました。


 それは現代オーディオに対して厳しい審判が下されたと受け止める瞬間でもありました。実際音楽の魅力という点からするとその通りですので、反論の余地は全くありません。


 はっきりとした価値観を持ち合わせているそんなT.Tさんが、『待ちに待ったスピーカーがついに実現した』といって、早々と予約を下さったことが何よりも嬉しかったです。


 TANNOY RED MONITORと、贅沢にもモノラル専用にGOODMANを使い分けて楽しんでおられましたが、今日からは「The Maestro」が主役の座に収まりました。


 田舎造りの家なので和室が襖や障子を外せば大広間になるような構造になっていて、スピーカーをどの面に置くか随分と迷いました。

 ついさっきまでは多くの機器が雑然としていましたが、思い切って隣の部屋に全てを移し、大手術さながらの模様替えを敢行しました。

 最終的には床が木で出来ている南の縁側にスピーカーを設置することにし、和室との間にあった障子を外すと広く明るいオーディオルームが完成しました。これでT.Tさんとマエストロとの蜜月がいつまでも続く事をお祈りします。

 息子と二人で真心を込めてセッティングさせて頂きました。


 ----- Original Message -----
 From: T.T
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Monday, January 28, 2008 9:23 AM
 Subject: ありがとうございました


 貝崎さま

 おはようございます。

 さて、昨日は午前中は部屋の後片付け、午後からずっとディスクをとっかえひっかえ 聞いていましたが、やはりピアノの再生は素晴らしいですね。今までピアノは苦手だったのですが、浄君の「ピアノの正確な再生はオーディオではかなり難しい。」とのコメントを聞いて、単なる自分の苦手意識でなかったことが判明し、ほっとしました。

 今まではどうもピアノ本来の力強さ、響きの豊かさに欠けているような気がしていたのです。スピーカーによっては低音部と高音部の音色に違和感もありましたが、マエストロではすべての鍵盤の音が統一され違和感がありません。

 そして、あの余韻の再現の素晴らしさは今までどのスピーカーからも聞いたことがありません。これからはベートーベンやドビュッシーのピアノ曲のディスクを乗せるのが楽しみになりそうです。

 当初は緊張感が勝っていた音も深夜に至る頃にはリラックスした雰囲気も醸し出す
ように変化してきました。音の芯を捉えているので小音量でも音楽の体をなしているのはありがたい限りです。

 これで鳴らしこむうちに低音部の厚みが加わわるでしょうから、まさに鬼に金棒、比肩すべきスピーカーはないのではないでしょうか。ここしばらくは毎日の変化が楽しみになりそうです。

 T.T



 ----- Original Message -----
 From: T.T
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Tuesday, January 29, 2008 10:10 AM
 Subject: 寝不足


 貝崎さま

 おはようございます。

 残業で帰りの遅いのもあるのですが、音量を絞ってもちゃんと音楽になるのでついつい深夜まで聞いてしまいます。おかげで寝不足ですよ。ゆうべは黒っぽく野太い声の黒人女性歌手、ニーナ・シモンを聞きましたが小音量でも喉の動きまで分かるが如くで、そのソウルフルな感情表現を余すことなく再現してくれたのには驚きました。

 それとオンリー・ユーで有名な60年代に活躍した黒人コーラスのプラターズも聴きましたが、ノスタルジックでリラックスした雰囲気をヴィンテージタンノイ以上に出してくれたのにはまた感心させられました。今日、明日は愛知に出張です。マエストロ聞けないのが残念です。

 T.T


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From: T.T
 
To: info@rosenkranz-jp.com
 
Sent: Friday, March 07, 2008 12:08 PM
 
Subject: 毎晩ボーカルの素晴らしさを堪能しています


 貝崎さま

 毎度御世話になります。

 マエストロは好調で毎晩ボーカルの素晴らしさを堪能しています。ゆうべは60年代のカンツオーネを聴いておりましたが、このスピーカーで聴くと歌の国、イタリアの真髄がよく分かりますね。

 凡庸なスピーカーだと単に甘い美声だったり、ただ朗々と歌い上げているだけだったりとの印象ですが、上手い歌手になると実に繊細な歌唱術を駆使しているのが分かります。

 おとといは弘田三枝子を聴きました。彼女の歌の上手さや上手さゆえに曲によってはつまらなく聞こえる場面もあり、歌手にとっては恐いスピーカです。特に日本人の場合は本人が歌っているのが想像できるくらい生々しいですよ。

 T.T


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